出会い…そして失踪

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奈乃佳は片目を瞑り、人差し指をたてた。 大事な話………………? 「返事はっ!?」 「はいっ!了解致しました!」 敬礼をして叫ぶ俺に対し、奈乃佳は大笑いをしていた。 俺はとにかくあいつの笑顔が見たかったんだ。 あいつの笑顔を守れるんだったら、何をしたっていい。 そう感じるほどだった。 それにしても、大事な話とはなんだろうか? 大体検討はつくが…。 付き合ってもうすぐ一年を迎える。 いくら鈍感なヤツでもこの時期で大事な話といえばわかるだろう。 そう… 結婚。 俺はガッカリした。 奈乃佳にじゃない。 自分自身に。 普通プロポーズは男からするもんだろう? そのために最近、宝石店と自宅を行き来していたんだ。 まさか先を越されるとはな…。 俺は薄く笑った。
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