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元々、奈乃佳は規則正しい人だった。
生活態度はちゃんと。
約束は必ず守る。
これがアイツのモットーだった。
だから待ち合わせに遅れることなんてなかった。
どんなに忙しくても、どんなことがあっても。
必ず五分前に来ていた。
早いときは三十分も前から…。
だけどその日は来なかったんだ。
三十分待っても。
一時間待っても。
メールの返信はないし、折り返しの電話もない。
さすがに俺は耐えきれなくなってアイツの家に行くことにした。
カフェから近い奈乃佳の家は何度か行ったことがある。
今の俺のように、カフェから家に行く。
そんな毎回は行ってないけど…。
道も覚えてるし、どんな家かも知っている。
俺は見覚えのある道を足早に歩いていた。
もしかしたらすれ違うかもしれない。
でも…なんとなく、嫌な予感がして仕方がなかった。
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