─アナウンス─

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そろそろ試験が始まると言う時、突然校内アナウンスがなった。 「え~、受験会場にお集まりの受験者様、本日はお集まり頂きありがとうございます。」 「何でアナウンス?」 龍二が疑問に思った。いや、龍二だけではない。会場にいる受験者の大半がそう思ったであろう。 「皆様はこの桜坂大学に受験する予定で来たのだと思います。」 当然受験者たちは何を当たり前なことを言ってるんだというような疑問をいだく。 「ですが、我々にはそのようなつもりなどございません。元々桜坂大学なんていう大学はないのですから。」 は?と受験者は声をそろえて言う 「そもそも皆様が桜坂大学なんて名前を知ったのは皆様が高校3年生になってからでしょう。」 確かにこの大学を知ったのは3年生になってからだ。 まだつくられたばかりだったが、校舎も綺麗、設備も整っており、家からも近いという理由で友美とこの大学に行こうと決めたのだから。 ・・・・・最初からこの大学はなかったということなのだろうか。 俺たちは騙されていたのだろうか。 そんな疑問を龍二はいだいていた。もちろん友美も。
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