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でもロボットは倒れた少年に付き添っていた。
死という概念が分からないのだ。
「そうか、充電が切れたのかな?」とロボットは思い
日当たりの良い丘に少年を運んだ。
いつまで充電しても少年は動かなかった。
ロボットはいつまでも少年に寄り添った。
雨が降り、雪が降り、風が吹き、春となり、夏となり、秋となり、冬となり
それをずっと繰り返した。
少年はいつしか土に還り、そこから木の芽が出た。
ロボットはその芽を少年だと思い、大事に育てた。
数年後、木の芽は立派な木なった。いつしかロボットの部品は錆びつき
木に横たわるように機能を停止した。
その姿がまるで少年とロボットの友情を象徴するようだった。
空は青く小鳥はさえずり蝶が飛んでいてのどかな風景だった。
それだけは永遠に変わらないのだろう。
きっと。
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