周る刻

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その報告を受けた時、光の長、闇の長、闇の長付きは『まさか?』と顔を見合わせた。 「まぁ、独り暮らしのやもめだし、あり得ない訳ではない」 「ま、まぁな、長~~~い事、独りなんだし、新たな相手を求めることもあるよな」 「相手が既婚でなければね」 冷たい氷を頭からぶちまける冷やかさでラカスが釘を刺す。 その報せは地方に派遣された闇魔法使いがもたらしたものだった。彼も最初はあり得ないと笑い飛ばしたらしいが、実際に当人が訪れる所を目撃してしまっては信じるしかなく悩んだ末に困惑全開で報告に来たのだ。 「何年も前から通ってるって?」 「最低でも年に一回は顔を出してると?」 まだ半信半疑な表情でユールとトラフは言う。 「もう確信犯ですね」 一刀両断のごとく斬り捨てるラカスの表情は、ものすごく恐い。 「なんつうか、そんな風な性格には思えねぇんだけども」 「事実は事実です」 「俺に当たるなよ」 「当たってませんよ。怒りの矛先にしてるだけです」 「だぁーっ、それが八つ当たりだっつってんだろが」 「他に誰が矛先になるんですか?」 「同じ立場だろーがっ」 「だからです」 「おい……」 二人の言い合いはラカスに勝てないユールが凹んだ所でケリが着いたらしい。 「取り敢えず、ご本人を召喚するか」 と、トラフは自らしたためた手紙を伝達魔法の小鳥に変えて翔ばした。
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