周る刻

3/7
前へ
/34ページ
次へ
「……………………………………はぁぁ~」 卓に片肘をつき、その手で額を押さえ、肺の中の息を全部吐き出す勢いでため息をついた。 「なんでそうなる」 頭痛がしそうな気分で呻くように言う。呆れてそれ以上何かを言う気にもなれない。 「貴方が足繁く通われていることは、実際に見た者が居る以上、言い訳は出来ませんよ」 冷ややかに過ぎるラカスの言葉にゲンナリしつつ応じる。 「言い訳をする気はないけども」 「認めたよ」 ユールが天を仰ぐ。 「通ってることは認めても構わない」 「どこか、否定する部分でもあるんですか?」 トラフが気遣うように訊く。 すると、ラシルが顔を上げて三人を均等に見据えて言った。 「あるに決まってる!どう勘違いすれば、俺が不倫してるって話になるんだよっ!」 「子どもまで作っておいて、開き直るんですか?」 「そりゃ居るだろっ、旦那がいるんだからっ」 三人がジト~~~と、見てくる。 「なっ、なんだよ」 「ご落胤ってことは?」 ユールが下から見上げるようにして訊いてくる。 「ばっ、馬鹿なこと言うなっ」 「焦ると余計、怪しいですよ」 トラフが含み笑いで突っ込む。 「頼むから~やめてくれ~」 「では、きちんと関係を説明してください」 卓に突っ伏してしまったラシルに、ラカスが追いを打つ。 「………」 伏せたまま固まる姿に、三人は疑念の目を向ける。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

420人が本棚に入れています
本棚に追加