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「……………………………………はぁぁ~」
卓に片肘をつき、その手で額を押さえ、肺の中の息を全部吐き出す勢いでため息をついた。
「なんでそうなる」
頭痛がしそうな気分で呻くように言う。呆れてそれ以上何かを言う気にもなれない。
「貴方が足繁く通われていることは、実際に見た者が居る以上、言い訳は出来ませんよ」
冷ややかに過ぎるラカスの言葉にゲンナリしつつ応じる。
「言い訳をする気はないけども」
「認めたよ」
ユールが天を仰ぐ。
「通ってることは認めても構わない」
「どこか、否定する部分でもあるんですか?」
トラフが気遣うように訊く。
すると、ラシルが顔を上げて三人を均等に見据えて言った。
「あるに決まってる!どう勘違いすれば、俺が不倫してるって話になるんだよっ!」
「子どもまで作っておいて、開き直るんですか?」
「そりゃ居るだろっ、旦那がいるんだからっ」
三人がジト~~~と、見てくる。
「なっ、なんだよ」
「ご落胤ってことは?」
ユールが下から見上げるようにして訊いてくる。
「ばっ、馬鹿なこと言うなっ」
「焦ると余計、怪しいですよ」
トラフが含み笑いで突っ込む。
「頼むから~やめてくれ~」
「では、きちんと関係を説明してください」
卓に突っ伏してしまったラシルに、ラカスが追いを打つ。
「………」
伏せたまま固まる姿に、三人は疑念の目を向ける。
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