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ダッシュでトイレから出て行ったしまった千里を健太郎は目で追うことしかできなかった。
(きっと、俺みたいなやつには、興味ももってくれないんだろうな。律儀だから礼はちゃんとしなきゃ、だけどさっさと用済ませてしまいたい、そんなとこなのだろう。まぁ、こんなとこで出会いなんか期待しちゃいないけどな)
一方、千里はトイレから出てすぐの廊下をできるだけゆっくり歩いていた。
(あーぁ、万が一追いかけて来てくれたりしたらドラマみたいで嬉しいのにな。やっぱりあたし馬鹿だ。そんなこと、あるわけがないのに。何期待してんだ
よ。飢えすぎでしょ)
今日のこの日にも双方溜息をつくしかなかった。
噛み合っていない二人の出会いはこんな感じ。
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