第1話 千里という人

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昨夜の事。 千里はやはり残業をしていて、早めに切り上げたつもりが、会社を出たのは9時半をまわった頃だった。 (やっばー、こんなに遅くなるつもりじゃなかったんだけど‥‥あいつ怒ってるかな‥‥) 千里は走った。 待ち合わせ場所につくと、「あいつ」は怒ってるでもなく、神妙な顔つきで千里をみた。 「お、遅れてごめん。残業で」 走って来た千里の荒い息が整う前に「あいつ」は切り出した。 「千里、別れよう。」
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