第1章

5/44
前へ
/44ページ
次へ
ぽろぽろと涙をこぼす彼女にジェジュンは戸惑う、、、、、 「あっ、あの、、、悪かったよ、、、ごめん、、、俺てっきり、ユチョンの、、、そういう女の、一人なのかと、、、、、」 彼女は立ち上がると、ジェジュンの横を通り抜け玄関にむかう。 白いブラウスに黒のカーデ、黒の膝丈まであるフレアスカート。紺のハイソ。その服をみれば彼女が他の女達とは違うことがひと目で分かる。 「ちょ、ちょっと待って! このまま帰したら俺ユチョンに殺される!」 ジェジュンは彼女の肩を掴む。 彼女はそれを振り切って、玄関から外へ飛び出す。 「おい!」 「あーーーーっ! もう、なんだよ、、、、、」 ジェジュンも後を追って外にでる。 住宅街の外は街頭が所々にあるだけで、結構暗い。夜9時を過ぎると人影もまばらで、走っていく彼女の後ろ姿が直ぐに見つかる。 「ちっ、、、」 舌打ちすると、ジェジュンも駆け出す。 「おい、、、、待てよ、、、待てってば、、、、」 ジェジュンは彼女の手首を掴み、引き寄せる。 彼女はその手を振り切り、大きく肩で息をしながら、背中を向けて歩き出す。 「おい、戻れよ、、、、戻ってくれよ、、、、頼むよ、、、、、」 ジェジュンは彼女の後ろを付いて歩きながら繰り返す。 「ホント、まずいんだってば、、、、ユチョンこえーよ! なー、戻れよ、、、戻ってくれよ、、、、、」 彼女がくるりと振り向いて、ジェジュンの胸をドンッと押して睨みつける。 「やー、なんだよ、、、なんだってんだよ、、、、、」 彼女はもう一度ジェジュンを両手で押す。 「お前、、、、もしかして、、、しゃべれないのか?」 彼女は両手で口を覆う。涙が頬を伝い落ちる。 ジェジュンは立ち尽くす。 俺、、、なんてこと、、、、、、、
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

115人が本棚に入れています
本棚に追加