五年前

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かりん 13才 父が死んだ。 この世からいなくなったのだ。 原因は事故死。 車の運転中に飛び出して来た子供を避けようとして追突したのだ。 葬儀が終わり、火葬場の待合室。かりんは身近な人の死を経験したことがなかったこともあり、どうしても理解ができなくて、悲しくて、涙が止まらなかった。 (どうしてお父さんなの?) そんな思いばかりだった。 母は母で隣で泣き崩れている。 そんな時、近所に住む高校生の龍也がすっとやって来て 「心配すんな。これからは俺が守ってやるから。」と言った。 泣きながら見上げた龍也は、とても真っ直ぐな目をしていて大人びて見えた。 しかし高校生が言うセリフにしては可笑しくて、母と顔を見合わせて泣きながら笑った。 その時から龍也は、ご近所さんからお兄ちゃんになった。
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