10

4/12
前へ
/252ページ
次へ
それから、私達は何度も抱き合った 成瀬くんの足の傷口は、痛々しくて… 多分完全には、消えないみたい ーーー… そのまま二人で、向かいあって抱きしめ合った 成瀬くんは、目を閉じて寝てるみたい… 「成瀬くん?」 「ん?」 「寝ちゃったかと思った」 「寝てないよ」 「お昼過ぎちゃったよ?」 「本当だ」 「お弁当食べる?」 「…友香ちゃんでお腹いっぱい」 「……恥ずかしいこと言ってないで、お昼食べようよ」 「ん…あ、そうだ」 「なあに?」 洋服を着ていたら、急に成瀬くんがベッドから、机に向かって歩いていった 引き出しを開けて何かを持ってきた 「友香ちゃん、背中向けて座って。あ、キャミだけでいいよ」 「ん?なんで?」 「いいから」 「変な成瀬くん…分かったよ」 私は成瀬くんに背中を向けてベッドの上に正座した 成瀬くんは、ベッドの縁に座って 何かを取り出して、私の首にかけた
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1292人が本棚に入れています
本棚に追加