第一章~異変の始まり~

13/16
前へ
/121ページ
次へ
結局僕たちは8時頃まで歌い続けた。 僕は一曲しか歌っていないが…… 外に出ると少し風が冷たかった。 それがちょうど火照った体を冷やしてくれて気持ち良かった。 「あぁ~~~。歌った歌った!!」 「お~れも~」 「そのせいで、拓真一曲しか……クッ……」 俊弥は僕の47点を思い出して、笑った。 「まだそれ言うのかよ!! もうやめてくれ」 「……でも事実だし……」 「うっ……」 「はっはっはっはっはっはっ!! そうちゃんサイコー!!」 「はっはっはっ」 「クスッ……」 「お、お前らなぁ……」 気づかないうちに、僕はすっかりこの雰囲気に馴染めていた。 そのことに拓真は気づいていない。 ハァ~………… 拓真は長いため息をついた。 「もうどれだけでも笑っていいから、あんまり言いふらすなよ?」 コクコクコクと4人は笑ったまま頷く。 信用は全く出来なかったが、僕は納得するしかなかった。 .
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

551人が本棚に入れています
本棚に追加