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結局僕たちは8時頃まで歌い続けた。
僕は一曲しか歌っていないが……
外に出ると少し風が冷たかった。
それがちょうど火照った体を冷やしてくれて気持ち良かった。
「あぁ~~~。歌った歌った!!」
「お~れも~」
「そのせいで、拓真一曲しか……クッ……」
俊弥は僕の47点を思い出して、笑った。
「まだそれ言うのかよ!! もうやめてくれ」
「……でも事実だし……」
「うっ……」
「はっはっはっはっはっはっ!! そうちゃんサイコー!!」
「はっはっはっ」
「クスッ……」
「お、お前らなぁ……」
気づかないうちに、僕はすっかりこの雰囲気に馴染めていた。
そのことに拓真は気づいていない。
ハァ~…………
拓真は長いため息をついた。
「もうどれだけでも笑っていいから、あんまり言いふらすなよ?」
コクコクコクと4人は笑ったまま頷く。
信用は全く出来なかったが、僕は納得するしかなかった。
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