551人が本棚に入れています
本棚に追加
長い長い校長の話が終わり、みんな一息ついて体育館を出た。
僕は職員室に向かった。
コンコン、と二回ノックしてドアを開ける。
始業式からまだ先生たちは戻っていないみたいで、職員室に先生はほとんどいない。
「あっ。君が寺本拓真くんね」
職員室の真ん中あたりから、若い女の人の声がした。
「こっち来て」
「分かりました」
僕は声のするほうに足を進めた。
少し歩くと顔が見えてくる。
その人は、かなりの美人だった。全然先生っぽくない。
その先生はニコッと笑う。
笑顔がきれいだ。
…………って先生に何思ってんだよ!!
「私があなたのクラスの担任になる、秋乃司(トキノツカサ)です。一年間よろしく」
「あ、よ、よろしくお願いします…」
僕はどもってしまった。
なんとなく目を合わせにくくて、僕は頭を下げる。
「ふふっ…それじゃあ行きましょうか」
秋乃先生は優雅に立ち上がり、職員室を出た。
僕は二歩下がってついていった。
.
最初のコメントを投稿しよう!