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僕が入った瞬間、教室が急に静かになった。
こういうのが嫌なんだよ……
気まずさに顔を下に向ける。
少し見える頬は真っ赤になっていた。
「今日このクラスに転入してきた」
秋乃先生は黒板に名前を書く。
「寺本拓真くんです。それじゃあちょっと自己紹介してくれる?」
真っ赤になった顔を少し上げる。
「寺本拓真です。前の学校では拓真って呼ばれてました。こっちでもそう呼んでくれたら嬉しいです。よろしくお願いします」
僕は頭を下げた。
また教室は一瞬静まる。
な、なんか間違ったこと言ったか?
当たり障りのないこと言ったはずなのに……
「はーい先生。質問はOKですか?」
真ん中の列の一番後ろの男が手を挙げながら言った。
しんとした空気がなくなり、ホッとした空気が流れた。
「もちろんいいわよ」
「んじゃぁ……拓真は今彼女おるの?」
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