第一章~異変の始まり~

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僕が入った瞬間、教室が急に静かになった。 こういうのが嫌なんだよ…… 気まずさに顔を下に向ける。 少し見える頬は真っ赤になっていた。 「今日このクラスに転入してきた」 秋乃先生は黒板に名前を書く。 「寺本拓真くんです。それじゃあちょっと自己紹介してくれる?」 真っ赤になった顔を少し上げる。 「寺本拓真です。前の学校では拓真って呼ばれてました。こっちでもそう呼んでくれたら嬉しいです。よろしくお願いします」 僕は頭を下げた。 また教室は一瞬静まる。 な、なんか間違ったこと言ったか? 当たり障りのないこと言ったはずなのに…… 「はーい先生。質問はOKですか?」 真ん中の列の一番後ろの男が手を挙げながら言った。 しんとした空気がなくなり、ホッとした空気が流れた。 「もちろんいいわよ」 「んじゃぁ……拓真は今彼女おるの?」 .
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