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第6話 俺には、理解できないよ……
「なんだ、ここ…?」
ジスが周りを見回す。
「あれ?ジス、ここは……?」
「二人とも!
ここ、なんかの戦艦みたいだ!」
幸い、アリアスとメアリーはすぐ傍にいた。
そして後ろにはDX、エアマスター、レオパルドが鎮座していた。
傷がない。
どうやら別の世界に飛ぶと、直るらしい。
「ご都合主義だな。
まぁ、こっちにしてみれば良かったが……」
ジス達の世界以外には、おそらくルナチタニウムは無いだろう。
だから、機体を修理するのはムリだ。
「貴様ら、何者だ?」
ジスがそんなことを考えていると、声が聞こえた。
顔を上げると、銃を向けられているのがわかった。
「ま、待ってくれ!
俺達はなにも……っ!」
ジス達が両手を挙げたその時、警報が鳴り響いた。
『前方にMS部隊接近!
第一戦闘配備!
ブライト艦長!今すぐブリッジに戻ってください!!』
「ちっ!
命拾いしたな!」
男は走り去っていった。
代わりに、何人もの人がやってきた。
どうやら、整備兵とパイロット達のようだ。
「貴方は……」
一人の少年がジスを見つめる。
だが整備兵に怒鳴られ、すぐに走っていった。
その先にあったのは、∀の世界の黒歴史映像で見た、ガンダムだった。
『アムロ!行きまーすっ!!』
そして、カタパルトから射出され、宇宙(ソラ)へ飛んでいった……。
「そうか……、ここは、ガンダムの世界か」
ジスは納得するように声に出した。
『ぜ、全機!射線軸上から退避!!』
焦ったような通信兵の声が響く。
次の瞬間、戦艦が吹き飛ばされそうになる。
「なにか、攻撃を受けたのか!?」
グラグラ揺れる中、ジスはなんとか立ち上がり、窓から外の光景を眺め……、
絶句した。
「なんだよ…?
なんなんだよ、アレは……!?」
MSの残骸が、数多く漂っていた。
数多く、と言っても、ジスはこれほどの残骸を見たことがなかった。
その先にある、コロニーのような物を見つけた。
――アレが、全ての元凶か?
ジスはそう思った。
「嘘…、こ、これ……っ」
「シャレになってないぜ……」
メアリーは泣きそうになっており、アリアスは舌打ちをした。
拳に怒りを込め、壁に向けて打ちつけた。
痛い。
だが、ジスの心から沸き上がるソレは無くならない。
「行こう」
ジスは呟いた。
「あんなクソッタレな兵器、俺達が止めてみせるっ!!」
少年はDXに乗り込む為、走り出した。
全ては、諸悪の根源を破壊するために……。
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