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――これほどまでの性能差なのか!?
護衛としてついて来たバリエント改の5機は全て破壊され、自身が乗っているディバイダーもギリギリの線を渡っていた。
『この程度ですか?』
声が聞こえる。
ジャミルは歯噛みする。
手も足も出ないとはこのことか。
「ふざけるな!!」
ビームマシンガンをばらまく。
だが、それは手の甲から出現するシールドにより、すべて防がれてしまう。
ビームで作られているようだ。
『みんなに伝えておいて下さい。
俺達は待っている、と』
そう言い残し、ソイツはどこかへ飛び去っていった。
――生きて、いる…のか。
ジャミルは大きく息を吐く。
歳老いたこの体では、長時間の戦いは辛い。
『キャプテン……じゃありませんでしたね、すいません』
「それでいいさ。
私に元帥や総統は似合わない」
通信が入った。
新連邦政府邸にいる、サラ・タイレルからだった。
『これ以上は危険です。
早く帰還を』
「あぁ、わかっているさ……」
ジャミルは操縦桿を握り、その場を後にした。
仮にも、かつて最強と謳われた男が、手も足も出せなかった。
「奴は一体、何者なんだ……?」
まったく心当たりがない。
ジャミルは、これからどうするべきか、それを考えていた。
――これが、ジャミルが何者かに襲われた事件の全てである。
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