第2話 僕らの平和と安らぎのために

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――これほどまでの性能差なのか!? 護衛としてついて来たバリエント改の5機は全て破壊され、自身が乗っているディバイダーもギリギリの線を渡っていた。 『この程度ですか?』 声が聞こえる。 ジャミルは歯噛みする。 手も足も出ないとはこのことか。 「ふざけるな!!」 ビームマシンガンをばらまく。 だが、それは手の甲から出現するシールドにより、すべて防がれてしまう。 ビームで作られているようだ。 『みんなに伝えておいて下さい。 俺達は待っている、と』 そう言い残し、ソイツはどこかへ飛び去っていった。 ――生きて、いる…のか。 ジャミルは大きく息を吐く。 歳老いたこの体では、長時間の戦いは辛い。 『キャプテン……じゃありませんでしたね、すいません』 「それでいいさ。 私に元帥や総統は似合わない」 通信が入った。 新連邦政府邸にいる、サラ・タイレルからだった。 『これ以上は危険です。 早く帰還を』 「あぁ、わかっているさ……」 ジャミルは操縦桿を握り、その場を後にした。 仮にも、かつて最強と謳われた男が、手も足も出せなかった。 「奴は一体、何者なんだ……?」 まったく心当たりがない。 ジャミルは、これからどうするべきか、それを考えていた。 ――これが、ジャミルが何者かに襲われた事件の全てである。
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