第3話 こいつがあの、亡霊ってやつなのか……

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「オヤジー! みんな連れてきたぜ!?」 ジスがメアリーとアリアスを引き連れている。 ガロードが、なにか用事があるらしい。 「オッケーだ! こっちに来てくれ!!」 今居る場所は、キッド達の仕事場である『なんでも屋フリーデン』である。 その店の中に地下へ向かう階段があり、ジス達はそれを降りていく。 「………うわぁ」 アリアスが思わずつぶやいた。 それほどまでに驚いたのだ。 地下に部屋を作っているだけなら、ここまで驚かなかっだだろう。 中で悠然と立っていたソレに、彼らは驚いたのだ。 「すごぉい……」 「こいつがあの、亡霊ってやつなのか……」 今では伝説となっている機体――3機のガンダムがいた。 「宇宙に漂っていたのをサルベージして修理したんだと。 まったく…、物好きだよな、キッドは」 「別にいいじゃねぇかよ。 ガロードだって、久々に見れてよかったろ?」 なんてことを言い合う二人を余所に、ジスは感嘆の息を漏らす。 ――ガンダムDX。 かつて最強と呼ばれていたGXを改良した機体。 2本のサテライトキャノンを携え、それ以外の武装はライフルやサーベルなど地味な物ばかりだが、出力が桁外れなので凄まじい力を持つ。 白く輝く装甲、今は光を失っている緑色の瞳……、 すべてが芸術の域に達している。 そう、ジスは思った。 「メアリーちゃんにはエアマスター、 アリアスにはレオパルドに乗ってほしい」 二人を呼び出した理由がわかった。 ウィッツとロアビィの子供、だからだろう。 「これ、教科書に載ってるくらいのもんなのになぁ…」 アリアスがつぶやく。 現在ジス達が通っている学校では、前大戦を教科書に載せていた。 戦争の愚かさを、少しでも理解するために。 MSの操縦を教えているのは、防衛のため、工業などでの現場作業のためだ。 「さて、問題は…、 キッド~!調子はどうだ~!?」 「ある程度完成はしたが、動く気配がないで~す」 ガロードはため息をついた。 そんな簡単にはいかないか。 『排除する』 突然、声が響いた。 全員が振り返る。 そこに居たのは、見たことのないガンダム達だった。
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