第4話 共に黒歴史を振り返りましょう

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「ようこそ、ウィルゲムへ」 指揮官とおぼしき男から握手された。 ジスは、この雰囲気を持つ男が嫌いだった。 戦争を、金稼ぎや権力を振るう場所と勘違いしている奴だ。 名前は敢えて覚えなかった。 その後、ジス達はロランに艦内を案内されることになった。 「待ちなさーい!」 「やだよ~!」 女の子が走り回っている。 自分達よりも年下がいることに、ジス達は驚いた。 「おや、あなた方は……」 案内されている最中、女性に声をかけられた。 彼女から漂うそのオーラは、今まで彼らが味わったことのないものだった。 「ちょうど良かったです。 あなた方にもお見せしましょう」 そう言って急遽、ブリッジに集まることになった艦内のメンバー達。 もちろん、ジス達も混じっている。 「これから語ることは、異世界から来た貴方達にも関わりのある話です」 「ど、どうしてそれを……」 ジスが聞くが、ディアナはそれに答えずに目を閉じる。 そして静かに、つぶやく。 「さぁ……、 共に黒歴史を振り返りましょう」 ブリッジ内が暗くなる。 そして、壁に映し出されたのは、見たこともないガンダム達の映像だった。 「なんだよ、これ……っ!?」 「黒歴史……、 私は、そう呼んでいます」 一つの映像のサイズが、ピックアップされるように大きくなる。 『相手がザクなら人間じゃないんだ!』 声。 音声付きとはなんとありがたいことか。 「これまで、人類は幾度もの戦いを乗り越えてきました」 見たこともないガンダム達の中に、見慣れたものが混じっていた。 「DX!!」 巨大で長大な、二本の砲身を構えたソレ、パイロットはガロード・ラン。 「そしてこれが、今の歴史の終着点」 『目標を駆逐する!!』 ディアナが手を伸ばした先にいたのは、紅く輝いているガンダム。 「これから先も、私達の見えないところで、歴史は創られていくことでしょう。」 彼女はそう言って、ブリッジの明かりをつけた。 なにが起こったのか、よくわからなかった。 「貴方達はどうですか?」 ディアナが近づいてくる。 ジスは困惑する。 「なんのためにここに来たのですか?」 彼女の質問には、答えられなかった。 復讐のため、と言うことはできなかった……。
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