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「綺麗だな……」
ジスは自分の部屋の窓から外を眺めた。
この世界に来た時も、素晴らしい自然に思わず感嘆していた。
ジス達の住むAWの世界は、一度多くのコロニーが落ち、荒廃してしまった。
そこから、なんとか持ち直してはいるが、やはり自然環境は最悪だ。
それに比べ、この世界は綺麗だった。
「そりゃ守りたいよな」
つぶやく。
だがここに人間が、過ちを犯そうとしている。
『過(アヤマ)ちは、繰り返すな』
小さい頃からずっと言われ続けてきた、父親であるガロードの言葉。
ティファとガロードはジスに優しかった。
ティファは天然だし、ガロードはいつもバカっぽく振る舞っていたし。
そのガロードが、これだけは忘れるなよ、といつもジスに言い聞かせていた。
「絶対に、俺達の世界の二の舞にはさせない」
ジスは心に誓った。
どんなものでも、失わないように足掻き続ける。
それがジスのポリシーだった。
それが彼の良いところである。
「だけど……」
布団に寝転がり、考える。
敵に、DXより強い機体はいないようだ。
ならば、この世界を守るのは楽か?
ジスはこの時、まだそう思っていた。
――――それは突然やってきた。
『ふはははは!!
見よ!このターンXの姿をぉぉっ!!』
明らかにガンダムではない見た目を持つ機体だ。
ターンXと呼ばれたそれに乗る男、ギム・ギンガナムは殺戮を繰り返していた。
「皆さん、いきましょう!!
これ以上、彼を野放しにしてはいけません!!」
ウィルゲムを含む戦艦から、機体が飛び出していく。
中には装甲車や飛行機(戦闘機)までいる。
ロランから聞いた話なのだが、地球の科学文明は一度崩壊したらしく、それを破壊したのが、搭乗していた∀らしい。
月光牒と呼ばれるシステムがあり、ソレが太古の昔、羽が地球を洗うように覆ったのだという。
ターンXにも、それが搭載されている。
「ガンダムDX、出るぜ!」
DXが出て、これで地球軍の全ての機体が出たこととなる。
シルバーやゴールドといった、派手な色を持つ機体もいる。
「「全軍突撃っ!!」」
開戦の合図。
その声の後にビームが飛び交い、機体が突撃していく。
大規模なのか小規模なのか、よくわからなかった。
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