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「うおぉぉっ!!」
1機、斬り墜とす。
ロラン達が頑張っているのだ、我々が地上を抑えなくてはいけない。
『おらおらおらぁ!』
赤い、マユゲを持った機体――レオパルドと言ったか――が弾幕を張り、近づく敵を押し返していく。
一撃離脱のその戦い方は、したたかでありながら、腰が引いているようにも見えた。
「聞きたいことがある!
なぜ我々を助ける!?」
通信を入れる。
戦闘中になにを話しているのか。自分でもよくわからない。
「別世界の我々を、助ける義理もないはずだろう!?」
近づく敵をライフルで牽制する。
DXほどではないが、この世界の機械人形相手なら、充分な威力である。
『確かに…、俺達には関係がない!
正直、俺だって逃げたくてしょうがないんだよ!!
初めての戦いが、怖くて怖くてしょうがないんだよ!!』
そう言いながらも、レオパルドは正面に立ち、攻撃から守ってくれる。
聞きたい。
そこまでする理由を。
『だけどな!目の前で戦争をしてる!
そして、この自然を破壊していく…、
それを見過ごせるほど、俺達はヘタレでもねぇし、寛容でもねぇ!
ただ、それだけのことだ!!』
なるほど…強い。
彼らは関係のないこの世界を、守りたいと言った。
そして、それを実行している……。
ならば、我々もそれに応えなければならない。
Iフィールドバンカーを起動させる。
これ以上、別世界の人間に迷惑をかけるわけにもいくまい。
「ユニバァァァァアス!!!」
――――その頃、ジスはようやく、∀との合流を果たしていた。
「このやろぉっ!」
ビームを放つ。
ターンXは背中を見せている。
ジスは、それが直撃すると思った。
『当たるわきゃねーだろ!!』
だが突然、機体がバラバラに分離したのだ。
両腕、両足、胴体、そして頭。
すべてが意思を持つように動き回り、また合体する。
『このターンX凄いよぉ!
流石∀のお兄さん!!』
ギンガナムはその性能に歓喜する。
『くぅ……っ』
一方の∀は、ボロボロになっている。
白い糸のような物が∀を包んでいる。
前に聞いた、ナノスキンシステムというやつだろう。
『いくぞ兄弟!
これで全て終わらせようではないか!!』
ターンXの背中から、巨大な羽が生える。
『月光蝶である!!』
狂喜するその蝶は、世界を破滅せんとばかりに羽ばたこうとする。
『僕は…、貴方を、倒します!!』
叫ぶ。
∀の背中にも羽が生えた。
2匹の蝶が今、激突する。
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