機動新世紀ｶﾞﾝﾀﾞﾑXｱﾅｻﾞｰｽﾄｰﾘｰ

第２話 僕らの平和と安らぎのために

｢うおおおおおっ！｣
クラウダに切り掛かった。
だが、あくまで主武装ではないナイフでは、傷もまともに付けられない。
｢うぜーんだよ！｣
ドートレスの顔が殴られた。
後ろに下がる。
｢ちっ！｣
ジスは舌打ちした。
性能差がありすぎる。
技術面で負けていると思っていないみたいだが、やはりドートレス改ではクラウダに勝ち目がなさそうだった。
｢負けるわけには…
くそっ！｣
クラウダがビームを放つ。
ドートレスはビルを盾代わりに使い、避けた。
｢新連邦は、まだ来ないのか…！？｣
ジスも、最初から勝ち目がないことはわかっていた。
自分はただの時間稼ぎに過ぎない。
最悪、自分で倒さなければ…と、ジスは考える。
その時、ふと思いついたことが一つ。
｢そういえば、腹部が弱点だったな…｣
クラウダは腹部にバーニアを採用している。
姿勢制御用だが、それがかなり薄い装甲で出来ていることを、ジスは知っていた。
｢なら…！｣
ビルが壊された。
それと同時に、ドージスはナイフをクラウダに向けて投げ付ける。
そして背中にあったマシンガンを手に取り、発射した。
｢くらええぇっ！！｣
弾を全て使う勢いで放つ。
腹部に集中攻撃した。
一発でも当たれば、大逆転できる。
そう思ったが…
｢ふん、そんなんで俺が倒せるかぁ！｣
腕でガードされた。
弾丸は腕の装甲を傷つけるだけに終わった。
｢く…チクショウ！！｣
ジスはモニターを殴った。
手が痛い。
ジスは自分を情けなく思った。
｢それじゃあ死んで…｣
その時、クラウダの頭部がへこんだ。
誰かが攻撃したみたいだ。
｢ふん、クラウダか
革命軍の量産型ＭＳ…｣
赤い色をしたガンダムが降りてきた。
見た目からしてまがまがしさを感じる。
｢すぐに片付けるよ｣
今度はハサミを持った、カニのようなガンダムが現れた。
カニはＭＡ形態に変形して、クラウダに向かって突撃した。
｢な、テメェら…まさか、フロスト兄弟…！｣
｢ふっ…｣
カニはＭＳ形態に戻り、ハサミで腕をちぎり取った。
そしてハサミからビーム砲を放つことで、クラウダを破壊した。
｢我々は新連邦の者だ
よく耐えたな｣
赤いガンダムがドートレスの頭に手を置くと同時に通信が入った。
触ることでできる、接触回線だろう。
｢…まだ、余裕でしたよ｣
ジスが苦笑いしながらそう言うと、赤いガンダムのパイロットは小さく笑った