第2話 僕らの平和と安らぎのために

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その後が散々だった。 教師には怒鳴られるわ、ドートレスの修理費用を請求されるわ、両親を呼ばれるわ… 「ちくしょー!」 と叫びながらジスは走っていた。 結局、ジスはメアリーとの待ち合わせ時間にすっかり遅れてしまうこととなった。 「め、メアリー!」 一人ベンチに座っている女の子が居た。 その女の子に近づいていく。 「ジス…!」 暗い表情だった女の子は、ジスを見てたちまち笑顔になる。 「わるいな… 教師達がうるさくってさ」 「そりゃあ、あそこまでしといて、お咎め無しなわけないわよ」 メアリーは呆れながら、笑っていた。 「ま、いいや 今日は俺がおごってやるよ 少し金多めに持ってるし」 ジスはそう言って、メアリーの頭に手を乗せた。 ジスとメアリー、アリアスの三人は幼なじみであり、親友でもある。 その時からずっと、ジスはメアリーの頭を撫でるのが癖になっていた。 「いや、その辺は心配無いから」 メアリーはそっぽを向きながら言った。 「どういうことだよ?」 ジスが尋ねると同時にメアリーは立ち上がり、クレープの屋台に向かった。 そして店員と何か話して、すぐに戻ってきた。 両手にはクレープが握られている。 「あ…何を話してたんだ?」 「秘密よ。 ほら、こっちあげる」 顔を赤くしたまま、ジスにクレープを手渡した。 チョコアイス乗せチョコミントだ。 メアリーはいちごアイス乗せチョコバナナクレープだった。 「金は…」 「だからいらないってば …おいし~」 メアリーが満面の笑みを浮かべる。 ジスもクレープにかぶりついた。 「うまい」 ********* 「今日はありがとな」 ジスはメアリーの頭をぐしゃぐしゃと撫でた 「き、気にしなくていいから」 メアリーは顔を赤くしている。 ジスが頭から手をどけた。 「め、メアリーっ!?」 その時、メアリーがジスに抱きついた。 ジスはいきなりのことで、思わずたじろぐ。 「私…私さ ずっと…言いたいことがあったんだ」 不思議な空気が二人を包む。 周りには誰もいない。 世界中で二人だけになったような錯覚さえ起きる… 「私…ジスが好き 子供の頃から…ずっと……」 メアリーが震える声で、自分の気持ちを告白した。 「メアリー…」 ジスもメアリーを抱きしめ… 「俺も…好きだ」 自分の気持ちを打ち明けた… 鮮やかな夕日が、二人を照らしていた…
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