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ジス達がいちゃついていた時、ガロード家では、ある重大な話が行われていた。
「ム…ッ、今日はレタス半額か」
「兄さん、こっちの牛肉も……」
……フロスト兄弟を交えて。
そもそも、彼らが「話がある」と持ち掛けてきたのだが、その当の本人達は椅子に座りながらチラシを見ている。
「どうでもいいから、早く話しろよ」
ガロードがため息をつく。
ティファはお茶を飲み、まったりしている。
「そういえばそうだったな」
シャギアはチラシを机の上に置き、茶をすする。
そして飲み終わると、ゆっくり話し始めた。
「ジャミルが何者かに狙われた」
それを聞き、ガロードだけでなく、ティファも驚きをあらわにした。
「ガンダムタイプだったらしいのだが、よくわからなかったらしい。
ただ一つ……、
ソレは、今の技術では製造不可能な性能を持っていたそうだ」
「そこまで、か…」
ジャミルは今、新連邦を取り仕切るリーダーなのだ。
狙われてもおかしくはない。
引っ掛かるのは、本当にそれほどまでの性能を持つ機体なのか、ということだ。
「ジャミルが見回り用に乗っていたのは、ディバイダーか」
ガンダムXディバイダーは、20年前の戦争で、実際にジャミルが搭乗していた機体だ。
今でもその性能は低くない。
「ジャミルを越える腕と性能、か……」
ガロードは顎を撫で、考える。
情報が少なすぎる。
答は、出そうにない。
「我々が考えて出した答えは……、
一つ、時を遡る技術によるもの。
一つ、別世界への移動技術」
シャギアの解答は至極もっともだった。
現在、フリーデンⅢ(3)を完成させたキッドは、暇潰しに別世界への移動装置を開発している最中らしい。
彼曰く、「不可能じゃねぇよ」とのこと。
「俺達も、また動かなきゃいけねーのかな……」
つぶやいて、外を眺めた。
ガロードの複雑な想いを嘲笑うかのように、太陽は綺麗に輝いていた。
「この世界を守るためには、仕方ないことだ」
「ガロード、君も戦おう。
この世界のために、
僕らの平和と安らぎのために」
オルバとシャギア。
昔とは別人だな、とガロードは思わず苦笑した。
少し、心の中の曇りが晴れた気がした。
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