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やや怪しげに、周りに人がいないことを確かめると少女は、男がはいている黒い綿パンツの両端のポケットを申し訳なさそうに探る。
生き倒れている人と遭遇したのは、初めての経験でどうしたらいいかわからない!――と言いたそうに表情を険しくさせながらも、自分がどうにかしなくちゃ――といった何処からともなく湧き出した責任感から彼女は、行動を起こしている。
残念ながらポケットからは、身分証らしきものは見つからず、肩を落とす。
「ん~……。」
(知らない人だとはいえ、このまま無視はできないよね……。とりあえず家の中に運んで、目が覚めてお腹がすいてたら、ご飯でもご馳走しようかな。)
彼女が思いつく最善の答えがこれだった。
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