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トモ「…馬鹿野郎」
トモ「…全滅は必須」
トモ「馬鹿野郎は…ジンの方」
トモは理解していた
この地獄の中でいくら衛生兵を探しても見つからない事を
むしろこうやって壁に這いつくばってじっとする事の方が安全だという事も分かっていた
ラインを下げ生存者を優先した方がいいかもしれない…
むしろ頼まれれば少しの間くらいこんな自分でも足止めはできるはず…
トモ「…………」
トモはジンに宛て無線を入れた
トモ「…ジン」
トモ「足止めをする…」
トモ「ジンはラインを下げて少しでも生存者を増やしてほしい…」
トモ「…ジン、生きろ」
トモはそう言った
決死の覚悟ではない
大事な局面で怪我をした自分自身の役割
トモはそんな人間だ
無線を介しジンが言う
ジン「なっ!?」
ジン「何言ってんだよっ!!」
ジン「約束したろ!!」
ジン「アイツの為に生きるって!!」
ジン「待ってろ…」
バン「早まるんじゃねぇ!絶対にそこで待ってろよ!!今から急いでそっちに…」
プツッ…
無線は無情にもそこで切れた
ジン「…あの野郎」
ジンは近くに転がっていた衛生兵の死体からありったけの薬と包帯を盗み出した
ジンだって分かっていた
壁に這いつくばって怯えていた方がよっぽど良かったと…
けど…
ジンは走る
トモの元へと走る
多くの銃弾が彼をかすめたが、今の彼にそれは気にならなかった…
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