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20××年。
僕が引っ越して来て間もない頃、お隣りに住んでいた彼への恋が始まりました…
これがきっと[一目惚れ]というものなのだろう。まだ本物の恋がわからない未熟な僕に彼は優しく恋の海へと引きずり込んで行ったんです……
朝。
目覚ましの音と共に跳ね起き外を見た。
まだ夜が完全に明けきっていない空は薄暗く、どこか神秘的だ。
学生の僕にとっては少々早過ぎる起床だが、あの人に会うにはこれぐらいが調度いいのだ。
僕は霞む目を擦りながら洗面所へ行き、顔を洗い髪の跳ねを整えた。
癖のある髪はいつも跳ねているし、女顔である自分が嫌いだった。
そんな事を考えていると、時計の針は疾うの昔に5時を回っていた。
「やばっ」
急いで制服に着替えると、朝ご飯も食べず僕は荷物を持ち玄関を飛び出した。
ガチャリ
隣の家から調度出てきたのはスーツ姿の若い男性。名前は……
「おはようございます。曽良さん」
曽良さんは僕が引っ越して来た時からお世話になっている方だ。
ぶっきらぼうだがとても優しい。
「小野さん。おはようございます」
毎日がこれの繰り返し。
最初は学校に行くのは早いと追い返されそうになったけど、最近は一緒に行ってくれている。
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