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15:55…
外は下校する子供達で賑わってる。
僕はいつ部屋の中へ入ったのだろう。
見知らぬ部屋、ゴミ一つない綺麗な部屋....
そこに立つ僕の右手には深紅に染まる刃物と部屋だった。
(ゴミ………片さなきゃな………まずは分解しなきゃ………)
こんな事をしたのは勿論初めてだったけど、自分は驚く程冷静で行動はスムーズだった。
一つ一つ解体される体。
女性の肌ってこんなに青白いんですね?
切り込みを入れるごとに血しぶきを上げる体はまだ生暖かさが残っている。
(頭……これは流石に返さなきゃ………)
目の前に掲げる頭を見て薄ら笑みを浮かべた僕は感情とは裏腹に叫ぶように笑っていた。
ガチャリ
玄関が開く音
もうそんな時間になってしまいましたか?
まだ掃除は終わってないのに…血に濡れた体を拭ってないのに………
まぁいいか。
これで邪魔物はいなくなりました。
曽良さん、僕を愛してください。ねぇ曽良さん。
「ただいま。どうしたんですかこの異臭、料理が焦げましたk……」
部屋に広がる赤い液体。
そしてそこに佇む僕の両手で持たれた物体。
きっと何が起こっているのか理解してくれただろう。
青くなった顔が何よりの証拠です。
「これは………」
曽良さん…嬉しくて声も出ませんか?
これで僕らはずっと一緒にいられるんですよ...
僕に歩み寄る曽良さんの顔は真剣だった。
パンッ
(えっ………)
静まりかえる部屋の中に突如響く音と右頬がジワジワ熱くなる感じ。
あぁ僕は叩かれたんだ。
キッと睨む僕に無言で見下ろす曽良さんの目は冷たく冷え切っていた。
「なんでこんな事をしたんです…」
そう問い掛けてくる曽良さんの目にはうっすら涙が溜まっていた。
-なんで?-
「…じゃないですか…」
「はい?」
か細く言った僕の声に聞き返す曽良さん。
僕はもう一度、今度は曽良さんの目を見て言った。
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