一章 静岡

4/7

1412人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
晃はまた、驚いた。 「50人!?」 警官は晃の事を全く相手にせず、言った。 「岸田は今何処にいるか分からないんだよ」そして、一旦ため息をつき、続けた。 「みんな大変だねー!」 晃はその言葉を聞きムッとなった。 「何だよ!その言い方!」 すると、警官はうつ向き、何とか聞き取れるくらいの声で言った。 「俺の所にも来たんだよ…」 さらに警官は続けた。 「初めはイタズラか何かかと思ったけど、テレビ見たらヤバい事なっててびっくりしたよ。」 そして晃の方を見た。 そして、また話し始めた。 「俺、この前子供産まれたばっかりなんだよな…まだ女房だって若いんだぜ?」 その警官の目からは頬を伝って涙が流れていた。 晃はその警官を見つめながら思った。 『この人のほうが背負っているものの大きさが違う…俺何かよりずっと、ずっとでかいんだ。』 晃は言った。 「俺に、岸田について分かっている情報を全て教えて下さい」
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1412人が本棚に入れています
本棚に追加