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警官はうつ向いたまま、首を横に振った。
晃は問いかけた。
「何でですか?」
警官はゆっくりと、ちゃんと聞こえるように話した。
「あのメールの情報で全てなんだよ…今は何処にいるかも分からない…生きているか、死んでいるかも分からない…岸田を見つけ出すことは無理なんだよ…」
だが、晃はすぐに言った。
「そんな事初めから言ってて良いのかよ!家族を守りたく無いのかよ!」
だが、警官の反応は非常に薄いものだった。
「良いよ…もう」
晃は呆れに呆れた。
誰かを守りたい。
自分を守りたい。
そんな気持ちはこいつには無い。
晃は決心した。
ケータイの画面を見つめ、無我夢中でメールを打っていた。
相手は…
メールの送り主だ。
晃はその文章を送信した。
画面には送信完了の文字。
とうとうやってしまった。
すぐに返事は帰ってきた。
「…………………………………………………………………………………本当に宜しいのですね?……………………………………………………………………………」
返信ボタンを押し、
「はい」
と、答えた。
そして、晃は予約していたホテルへと向かい、チェックインを済ませて、寝た。
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