一章 静岡

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警官はうつ向いたまま、首を横に振った。 晃は問いかけた。 「何でですか?」 警官はゆっくりと、ちゃんと聞こえるように話した。 「あのメールの情報で全てなんだよ…今は何処にいるかも分からない…生きているか、死んでいるかも分からない…岸田を見つけ出すことは無理なんだよ…」 だが、晃はすぐに言った。 「そんな事初めから言ってて良いのかよ!家族を守りたく無いのかよ!」 だが、警官の反応は非常に薄いものだった。 「良いよ…もう」 晃は呆れに呆れた。 誰かを守りたい。 自分を守りたい。 そんな気持ちはこいつには無い。 晃は決心した。 ケータイの画面を見つめ、無我夢中でメールを打っていた。 相手は… メールの送り主だ。 晃はその文章を送信した。 画面には送信完了の文字。 とうとうやってしまった。 すぐに返事は帰ってきた。 「…………………………………………………………………………………本当に宜しいのですね?……………………………………………………………………………」 返信ボタンを押し、 「はい」 と、答えた。 そして、晃は予約していたホテルへと向かい、チェックインを済ませて、寝た。
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