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吉野山
文治元年(1185)3月
壇ノ浦の戦いで平氏は滅亡…新たな時代が始まります。
源義経は朝廷に働きかけ源頼朝追討の勅令を受けます。
義経が西国の武将に決起を呼び掛けるも義経に味方するものは皆無でした。
頼朝は朝廷に圧力をかけます。
朝廷は頼朝に逆らえず義経の官位を剥奪し追討を命じる宣旨を下しました。
もはや鎌倉殿の勢いは朝廷の力を上回っていたのです。
思いもよらず朝敵となってしまった義経一行は京を脱出します。
逃避し彷徨する義経の傍らには常に愛妾である静御前の影がありました…
雪深い吉野山を進み行く苦悶の郎党一行の中で…ただ一人、静御前は…幸せに酔いしれる…
雪がしんしんと降り積もる中…夕べになると…うら寂しい祠の中で静御前は身に着けた装束を脱ぎ捨て美しく白い肌身を義経に預けるのでした。
美しく女の花冠を開いた静御前の妖しい裸身に義経の自制心は翻弄され快楽を貪るしかありませんでした。
芸事で培った洗練され優雅な肉体の舞に九朗判官の猛る刃身は静の愛に溢れた海に沈み舞い踊ります。
静は歓喜し全身が戦慄き震え立ち幸せに酔いしれるのでした。
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