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「一三?さっきから、どうした?」
「…え、い、いや!なんでも…」
帰りの車の中でも、一三は『若返りの実』というものが、頭から離れない。
(もし、本当にそんな物があるなら…五郎とやり直したい。
今なら、同性愛も、だいぶ理解されて来ているし…)
翌日、一三は1人で、噂の実を探すために、林の中へ。
「僕は、何をしてるんだ…もう70の男が…」
一三は、そんな思いを浮かべながらも、奥へと向かう。
『それが、実際に食べた人がいるらしいんですよね。その実は、キラキラ光っているから、すぐに判るそうですが』
本屋の店主の話が、頭の中に浮かんでくる。
「キラキラ光る実…か」
一三は、休憩しようと、切り株に腰かけた。
そして、おにぎりを頬張る。
「若返ったら、五郎と…どこかで食べたいなぁ。よし!」
おにぎりを食べ終わると、一三は再び、噂の実を探し始めた。
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