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それから、しばらく探していたが実は、見つからない。
「はぁ…無いなぁ。仕方ない、もう少し探して無かったら、あきらめよう……ん?」
ふと視線を下にやると
何やら光っているように見える。
「あれ?日の光ではないよなぁ。よいしょ」
腰をかがめ、光っている所に手を伸ばす。
すると…光る小さな実がある。大きさは梅の実くらい。
『その実は…ほら、梅の実あるでしょ?あれくらいなんですって。しかも種もあるとか』
一三は驚いて、一瞬、固まった。
「………まさか……ああ……」
そっと、その実を摘み取ると、大切に布に包んだ。
自宅に帰り、実を取り出すと、間違いなくキラキラ光っている。
「しかし、五郎にどうやって食べさせるかなぁ? ああ、そうだ!細かくしてタクアンに混ぜたら…夜なら、電気をつけるから、ごまかせる」
その夜、一三は五郎を家に呼んだ。
幼なじみなのもあり、互いに家に呼んだり、泊まる事は珍しくなかった。
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