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五郎だけが、お酒を呑みながら話をしていた。
なぜなら、一三はお酒が呑めないから。
「一三、今日は何をしてたんだ?昼間、家にいなかっただろう?」
「ああ、少し出かけてたからな。それより五郎、僕が漬けたタクアンは、どうだ?」
一三は、あの実を混ぜたタクアンを出す。
「ん?一三、なんか、このタクアン光ってないか?」
「そうか?気のせいだろう」
一三は、とぼけて、五郎をチラッと見る。
「そうか。じゃ、いただくかな」
五郎が、タクアンを箸でつまむ。
一三は、じっとそれを見つめる。
「…ん、うん!一三の漬け物は、なかなかだ」
「なかなか?なんで、うまいって言わないんだよ」
一三は、ホッとして自分もタクアンを食べる。
あの実が入ったタクアンを。
やがて…2人は眠ってしまった。
そして、朝を迎える。
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