道を大きく踏み外した瞬間

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一週間前。 「生徒会入ってくれへん!?」 「「「え」」」 演劇部で練習が終わった後 うちの高校の生徒会長が いきなりそう言い放った。 会長はちょくちょく 演劇部の手伝いに来て くれたりして心優しい会長 だけど どことなくウザ―…失礼(笑) うっとうしいときがある。 「いきなりなんですか?」 そう言ったのは私と同じ 一年生の関根 雛子。 頭が良くて人付き合いのいい 大人びた感じのロングヘアの かわいい女の子だ。 「いや~…実は生徒会の 女子おらんねん」 「え、でもいるじゃないですか 女子の先輩方が」 「そうやなくて、一年の」 なるほどなあ… 私はすこし離れて 黙って聞いていた。 生徒会に入る気なんて 全くこれっぽっちもなかったから。 というか入るに入れない事情があるし。 「でも、カケモチは ちょっと…」 「入ってくれたら生徒会から 引っ張って演劇部員増やすから!」
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