道を大きく踏み外した瞬間

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「その話!のった!」 勢いよくイスから立ち上がって そう言い放ったのは 片桐 珠紀(カタギリ タマキ) 私と同じ一年なのに 演劇部副部長という 肩書きを持っている それにみんなを楽しませる ムードメイカーで セミロングのこれまた かわいい女の子だ というか 演劇部にはかわいい 女の子しかいない。(キッパリ) あ 私は例外だ。 「ほんまぁ!?ありがとな!」 「いえいえ(笑)」 「そんな安請け合い して大丈夫?」 不安そうな声で聞く雛子。 確かに安請け合いしすぎだ。 「大丈夫!大丈夫!」 「本当に?」 「雛子ちゃんも入るよな?」 ニヤニヤ顔の会長に 聞かれて雛子は悩んだ末 「もう…しょうがないですね」 と苦笑しながら答えた。 あ ヤバい。 逃げる準備しなきゃ。 「見汐ちゃんは?」 あああぁ~…。 逃げる前に聞かれた。 心の中で軽く舌打ちする。 頼まれたら断るに断れない 性格だからなあ…私。 「見汐はダメですよ! 部活カケモチして忙しいですから」 「そうやったっけ?」 ずいぶん前に言ったんだけど 聞いてなかったのか! 私は演劇部の他に色々と カケモチしててこれ以上 部活が増えたら私は 間違いなく死ぬ! だからイヤだった 「じゃ、一週間後に 生徒会室来てな!」 そしてさっさと去っていた。 とにかく珠紀がそう言って 助け船を出してくれたおかげで 私は生徒会へと入らずに済んだ。
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