序章・【舞台開幕】

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 8体のガーゴイルが、男を取り囲み飛びかかる――!!  男は屈んで、足場にしている鎖の塊を掴むや、振り回しながら一回転!  群がるガーゴイルを殴り飛ばした……商人は悲鳴をあげる暇も許されない。  飛んできたガーゴイルを地面に伏せて避けると、後は必死に転がるようにして戦闘から巻き込まれない位置まで避難する外ない。  横目で男の様子を見ると、40キロ以上はあろう鎖の塊を武器にして、空から襲いかかってくるガーゴイルを次々と叩き潰して肉塊に変えていった。 「…化け物!」  そう呟かずにはいられない。勿論、男は商人にとって命の恩人だ。しかし、あんな悪魔を軽々と一方的に殺戮してしまうその人間に、商人は悪魔とはまた異なる恐怖を禁じ得ない。  チラリと空を見上げると、空には続々とガーゴイルが集まってきていた。
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