序章・【舞台開幕】

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 憎悪と復讐に生きる一人の男がいた。  その男は、ボロボロの布キレを外套として身に纏う。  荒廃した廃村――その中央広場には、鐘衝きの物見塔がある。  無論、周囲の建造物に負けず劣らず風化が進み、鐘は錆だらけで、嘗ては湾曲していたシルエットは(いびつ)(ゆが)んでいた。  
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