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商人が逃げた先は寂れきった廃村。
「クソ!やってやるぜチクショウが!!ぶっ殺してやる!!」
商人は転げ落ちるように馬から降りて、ゴロゴロと地面を転がりながら護身用のナイフを抜いて構える!
「かかって来い!!この、クソ蝙蝠が!」
怒声を発し、商人は威嚇するが、ガーゴイルは意に介さず、上空を旋回していた……
始めは一匹だったその悪魔は、奇声を発しながら商人を追い立てていた。
商人が、あの鳴き声は、仲間を呼び集めていたのだと気付いた頃には、ガーゴイルの数は八匹まで増えた後で……。
そして、その数は今や数十匹にまで膨れ上がっている。
廃村に集まる悪魔の群れ…その表情は――獣や魚でもなく地上の生物ですらない悪魔だが、その形相からは飢餓感といったものを感じ取れる。
奴らは新鮮な血肉にありつきたいのだ。
「……」
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