第一章・二節【聖杯の師団長カミール・ルヴィ=オラム】

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 ネロ=シンクレア、18歳。彼は、いつもの様に任務直後の召集に嫌気が差しながらも、煉瓦造りの螺旋階段を上っていた。  ここは、アトラシア大陸中央都に位置する悪魔専門機関・アルカナ本部。  3年前、最年少でワイバーンを討伐してからというもの、若手は勿論、ベテランからも一目置かれるようになり、グリモア使いとして名を馳せ、メキメキと頭角を表していた。  比例して、彼の休息時間はどんどん奪われ、上司への殺意はどんどん順調に膨らんでいく。  最近では、上司の名前を聞く度に殺意が成長するようになった。  彼が現在向かっている先は、《聖剣》ではなく、《聖杯》の師団長の部屋だ。念の為、先に確認しておくが、殺害に向かっている………………  わけではない。
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