3423人が本棚に入れています
本棚に追加
「悪魔の魔力反応とは違う……何かよく分かんない魔力濃度らしくてさ、魔力で中毒起こした調査隊がいたくらいだよ」
数分後、親指に絆創膏を貼ったカミールはにこやかに説明する。深く考えるのは、不粋……なのかも知れない。
「魔力をコントロールする訓練を受けてない人間には毒だからねぇ……魔力ってやつは。
反応は、森の中心に向かう程強くなってるみたいでさ。
しかも奥へ進めば進む程、強い悪魔が出て来て、調査隊の護衛に着いてたグリモア使いも歯が立たない悪魔の出現に一時撤退したんだって!」
要するに、怪奇現象が起こり、その中心に異質な魔力が在る……と。
「調査隊も何人か犠牲になったのか。撤退途中で一人行方不明になった奴が居るな。
ついでに探すが、生存確率は絶望的だろうな」
不機嫌な表情でネロはカミールへと視線を戻す。
「この、護衛に付いてたというグリモア使いは?」
「ああ、実はもう来てるんだ」
映画に出そうな豪華な内装の部屋……その奥のソファで寝ていた色っぽく服のはだけた女が、むくりと起き上がる。
「お。……ネロだ」
最初のコメントを投稿しよう!