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「あ! そうそう、云い忘れてた」
カミールは人差し指をつい、と、ネロの鼻先に立てる。
「今回ね、一人研修生を付けたいんだ。まだ、自分の隷属悪魔すら居ない新人もいいとこなんだけど、模擬戦闘訓練の成績は優秀だし、学科試験も必修時間を第二課程まで終えてるから知識もとりあえず十分!」
ネロは無言でカミールの指を再びへし折った。
「あはははは! ネロ相変わらずね!」
「お前な、今回の任務が危険なものだと分かってんだろうが!」
顔を一層不機嫌に歪ませるネロと、悲鳴を喚き散らすカミールを見て、腹を抱えて爆笑するエリス。
「…………で? そのド素人はどこの誰なんだ?」
涙目のカミールが答える。
「実は、もう来てるんだよね──入って」
ネロもエリスも、部屋の入り口へと振り返る。
促され、部屋に入って来た人物にネロは一瞬固まる。
「彼女とは、久しぶりなんじゃない?」
したり顔のカミール。
「どーも、研修生のミリア=クロストで~す。今回はお世話になりまーっす」
そこには、17歳になったあの時の少女が居た。
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