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「え?透さん、昨日アサトさんと会ってたっすよ?」
ギルド内でのラルクとラジルによる聞き込みは、一人目でほぼ終わった。
証言者である男によると、昨日帰る途中アサトとばったり会い、透と二人でふらふらどこかへ行ったとか。
「なんだ、じゃあアサトさんと飲みに行ったのか?」
少し安心したように男に聞くと、「まぁそうでしょう」と返事をした。
「透さんとアサトさんがシたって訳じゃないですか?」
びきり。
ラルクとラジルの動きが明らかに止まった。
そりゃもう石化したかの如く。
男はそんな事も露知らず、飄々と続ける。
「だーって、夜に呼び出してやる事は一つですよ?アサトさんも男、透さんも女なんすから。
腰がダルいだの吐くだの…子供でもデキたんがげふぅ!」
じゃないですか?と言う前にラルクの裏拳で卒倒した男。ラルクの背後には般若が…。
「ら、ラルク…?血迷うな」
ラジルが一応宥めるが、ラルクの耳には届いていない。ラルクはそのままギルドを飛び出して行った。
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