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「はあ~……」
ゆっくりと風呂に入っていた慎太郎は、すっかり日向の事を忘れてしまっていた。
そして洗面台では日向が先程牛乳をかけられたエプロンを洗っていた。
慎太郎は何も考えずいつも通りタオルも巻かずに風呂場のドアを開け、その物音に日向はエプロンを洗いながらドアに目を向けた。
そしてお互いに気づいた瞬間、二人は動きを止めた。
「うわっ!」
二人同時に叫び慎太郎は風呂場に、日向も慌てて洗面所を飛び出して行った。
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慌てて逃げ出してきた日向は台所で動揺していた。
小さい頃はよく素っ裸で家の中を走り回っていた。だから慎太郎の裸体なんて見慣れたものだと思ってた。だけど当たり前だがあれからだいぶ時が経っていて……。
さっき見たのはあの頃からは想像も出来ないくらいひき締まった男性の体だった。
動揺を熱いお茶で落ち着かせていると、着替えを済ませた慎太郎が冷蔵庫から麦茶を取りだし無言で飲み始めた。
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