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気まずさを感じながらも、「さっきはごめんね。お姉さんはびっくりしちゃったぞ。大人になったな慎太郎!あっ変な意味じゃなく」と日向はおどけながら声をかけた。
「…………」
「怒ってる?」
恐る恐る聞いてみたが返事はなかった。
そんな重い空気の中、すでに用意が出来ている夕飯を食べることにした。
「いただきます」
日向はシュンとしながら箸を持ちあげる。
「いただきます」
そして慎太郎も手を合わせ食べ始めた。
「フフっ」
小さく笑った日向へ「なんだよ」と、怒った口調の慎太郎が口をもぐもぐしながら言ってきた。
「いや、変わんないなって。小さい頃からどんなに機嫌が悪くても『いただきます』と『ごちそうさま』は必ず言うよね」
そんな言葉に、慎太郎は照れ隠しをするようにおかずを口いっぱいに頬張った。
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