228人が本棚に入れています
本棚に追加
「ーーねえ、慎太郎は彼女はいるの?」
食事をしているうちに、さっきの重い空気はなくなりいつものような質問をする。
「いねーよ。何で?」
「背高いしモテるんじゃない?もう先輩いないんだから彼女くらい作れるじゃん?」
「俺は部活一筋なんだよ」
「これから遅い恋が始まるの?好きな人は?告白は?」
日向は興味津々で矢継ぎ早に質問を投げつけた。
「今は野球が一番なの。日向……お前人の事より自分の心配しろよ」
「あはは!あたしはいいんだよ。もう毎日違う人から声を掛けられて困ってるくらいだし」
日向は笑ってご飯を口にいれた。
「さっき彼氏いないって言ってたじゃんか。それにどうせティッシュ配りだろ?」
図星を付かれムッとしたが、昔と変わらない雰囲気にすぐ笑顔に戻る。
「なんかさ……こうやってると新婚さんみたいだね」
日向の発言に慎太郎はご飯を吹きだした。
「ちょっと!また?汚い」
「お前と結婚って……ありえねー。でも飯だけは旨いな。ごっそうさん!」
慎太郎は両手をあわせ感謝の言葉を言って席をたった。
最初のコメントを投稿しよう!