転生者 生まれる

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俺の周りは暗闇に包まれていた。 しかし、少しするとずるずると暗闇の中で引っ張られるような、後ろから押されるようなよくわからない感覚がする。 そしてよく見たら俺の頭上に小さな光が見えてきた。 その光は近づくにつれてだんだん大きくなる。 そして、ついに俺の体はその光の中に入っていった。 「オギャー、オギャー!(眩しい!!)」 これが俺、椎名 葵が転生した瞬間だった。 「生まれた……生まれたぞ、沙希!!」 俺の頭上から嬉しそうな男の声がする。 声は声でも叫び声に近いものがあるが……。 「ええ大稀さん!私たちの子がついに……!!」 今度は隣からやっとか……といった感じに疲れた声ながらもどこか嬉しいといった気持ちがにじみでている声が聞こえる。 どうやら俺はこの大稀と沙希という男女の間に生まれたらしい。 何故沙希の声が隣から聞こえたのかは大稀の顔と思わしきものが俺の目の前にあることから大稀に抱き抱えられているからだろう。 大稀は20歳前後といったところだろう。目がつり気味で、ワイルド系のイケメンだ。 沙希も20歳前後だろう。少々タレ目で、いかにもな優しそうオーラが漂っている。こちらも美女だ。 まぁ、なんとかなりそうだ。
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