《彼女の自殺》

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吉原舞は高校2年に上がったあたりから、妙に上田祐樹という女と親しくなった気がする。 上田祐樹。 彼女の印象は、僕の中ではとても悪かった。黒い長い髪が印象的で、一際目立つ容姿だったが、愛想がなく、誰ともつるまない。 高校の入学式で上級生を殴り、即謹慎処分。1年の3学期から登校していたが、悪い噂は尽きず、同学年の間では恐れられる存在だった。  彼女は舞が自殺をする前に、死んだ。 それも、暴力団グループの銃撃戦に巻き込まれて死んだのだ。 悪い噂は本当だった。 にもかかわず、舞は上田祐樹と常に一緒に居て楽しそうにしている姿を僕はいつも見てた。 そして少し、嫉妬していた。 それは、上田といるときの舞が生き生きしていたからだ。 舞は、中学生になってからというものの、僕と一緒にいるとき、いつもふくれっ面だった。幼なじみで親同士も仲が良く、夕食に招かれて彼女の家に行った時も、彼女は一言も口を利いてくれなかった。 今思えば、思春期の僕たちには普通のことだったのかもしれない。 けれど当時の僕たちはあの世界が全てで、あの世界こそが全部青春だった。 当時、僕は舞の死に絶望的になっていて、深く追求することもなく来たけれど、上田が関わっている事件に、舞が巻き込まれたことは確かだ。 今良く考えてみると、疑問に思うことは沢山ある。 彼女はなぜ自殺を選んだのか。 上田はなぜ死ななければならなかったのか。 ーーーーすごく知りたい。 気がつくと、当時の事件の記事を探していた。
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