【吉原舞】

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高校1年の冬休み。 私は気乗りしない、合コンに来ていた。 友達に強引に連れて来られたカラオケ屋で皆が盛り上がっている最中、私は黙って座っている、まるで人形のようにそれらを眺めていた。 高校生活にも慣れ、友達もいっぱい出来たけれど、私は彼氏なんかいらない。今のままで十分楽しいのに、なぜみんな男のコと付き合いたがるんだろう。 でも、私も男のコに興味がないわけじゃない。私だって1度ぐらいは、男のコと付き合ってみたこともある。 告白されて、そんなに悪い気がしなかったので、気分で返事してしまった。結局、半年ほどで自然消滅してしまったけれど、私も彼も、お互い好き同士ではないことが分かった。 それから彼氏を作ろうとは思わなかった。 それだけだ。 皆が流行りの曲を選曲し、どんどん器用に機械へと入れていく姿を、私は氷の溶けた味の薄いメロンソーダを飲みながら眺め続けた。 歌も歌わずに、黙ってる私の隣に、馴れ馴れしくするちょっと軽そうな男が私の耳元で何か言ってきた。 「この後2人で抜けない?」 私は黙った。 何を言われようと、黙ったまま。 隣の男は私の顔を覗き込んで奇妙な笑顔を見せた。蛇みたいな目つきをして気持ち悪い。
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