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『注意事項 その1』 [現場には決して近付かないこと] つまりは、姉の部屋には入るな、ということだ。 理子自身、姉の部屋には近付かないつもりだった。何か手がかりが残っていたら、と考えたが、正直あの部屋には近付きたくなかった。 『注意事項 その2』 [この事は決して他言しないこと] …危ない。もう少しで菜穂に話してしまうところだった。 何故人に言ってはならないのだろう。この事件は今世間を騒がせているし、他に行方不明の人もいる。 理子には親がいない。まだ幼かった頃に、事故で亡くしたのだ。それからは親の遺産や、親戚に援助してもらったりしながら、姉と二人で暮らしてきた。 家には理子独り。 『注意事項 その3』 [家の戸締まりをきちんとすること] あ…玄関の鍵閉めてない。 理子は大急ぎで玄関に向かった。 ガチャ。閉めた。理子は安堵のため息をついた。 「お前、不用心だな。」 遅かったのか…? 理子は声がした方を向いた。
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