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-カチャ
最後の窓を締めた。
廊下に戻り、猫目をとりあえずリビングに入れた。お茶を出し、理子は猫目の向かいに座った。
「あの、何かまだ?どうしてあたしの家がわかったんですか?」
すると、猫目は不思議そうな顔でこちらを見つめてきた。
「ずっとお前の後ろを歩いてきたんだけど…わかんなかったのか?」
それを聞いて、理子は目を丸くする他ない。
「あの事務所を出た時から、ですか!?」
驚きのあまり、理子の声は少し大きくなってしまった。それを聴いて、猫目は吹き出しそうになるのを必死に堪えながら言った。
「あー…やっぱあれ気付いてなかったんだ!っくふふ!…わりぃ…。っても、猫だったから、無理もねぇか…」
笑いは堪えてはいるが、顔が思いっきり歪んでいる。辛いのか、少々涙目である。
-そんなに面白いのか?よくわからん奴だなぁ…
理子は目の前に居る男を見た。
言葉遣いは悪いが、顔だちはかなりのものである。まだ幼さが残ってはいるが…。本当に猫そっくりだ。
「話を戻しますけど、まだ何か用があるんですか?」
あぁ。と呟いて、急に猫目が真面目な顔になった。
「事件のことでお前に訊きたいことがあってな。」
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